光技術者として日々の研究にいそしむ著者が,これまでの経験や日常を通じて感じる光に関するあれこれを,肩ひじ張らずに綴る人気のコラム。その飄々としたキャラクターも魅力の一つです。

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としまえん

この秋,「としまえん遊園地」が閉園された。ほとんどの人たちにとって,そのニュースは見知らぬ街のコンビニが店を閉じた程度の,どうでも良いニュースだったに違いない。 しかし,僕にとってはかなり衝撃的な出来事だ。僕は幼稚園に入 […]

雷様になりたい

雷様になってみたいと思う時がある。裸ん坊に虎のパンツを履いて,頭には取ってつけたような角だ。背中に背負った太鼓をひとたび叩けば,雷鳴轟き,稲妻が走り,下界では「くわばら,くわばら!」とか「へそ隠せ」などと叫びながら人々が […]

水底の線香花火

  子供の頃は,風呂なんて好きではなかった。それなのに,今ではどうだろう。どんなに暑い日でも,シャワーではなく風呂に入りたい。湯船に入るときには「ふぅー」とか「はぁー」とか声を出し,心の中で「いやいやいや…」と訳の分から […]

写真 ─ 真を写す? ─

  自宅の僕の部屋の片隅に日本の有名な靴メーカーR社の紙箱がある。箱の中には,僕が大学生だった頃の写真が放り込まれている。僕は時々箱を開けて何枚かの写真を眺めてみる。浦島太郎は玉手箱を開けた瞬間に老人になってしまったが, […]

神秘なるプリズム

  子供の頃,友達のお兄さんがプリズムというものを持ってきて,僕たちに見せてくれた。僕には,それはガラスの塊をえいやと叩きつけて割れ落ちた,ただのかけらのように見えた。 しかし,そのかけらの中を覗いてみると,見えるはずの […]

遥かなる地平線

  僕が今暮らしている街は,四方を山と丘に囲まれた盆地の中にある。山を眺めながら暮らそうと選んだ場所なので文句は言えないが,ときどき窮屈に感じて,地平線が見えるような平原に住めばよかった,などと,今更なことを思うこともあ […]

内視鏡こわい

  まだ社会人になって間もない20代の頃,同期と酒を飲んだ翌日,二日酔でムカムカしながら咳をしたら,ほんの少しだけれども口を抑えたティッシュに血がついていた。慌てて病院に行ったら,後日,内視鏡で胃の検査をすることになった […]

いまさら枯れ草色

  八方尾根にスキーに行くことが僕にとっては毎年の恒例だ。何度行っても斜面は手ごわくて,それだからこそ,決して飽きることがない。 白馬三山や五竜岳などの北アルプス後立山連峰の景色も圧倒的だ。さらに,スキー場の麓には温泉が […]

音に色?

世の中には音を聞くと色が見える人がいるらしい。例えば,ドの音で赤が見え,レの音で緑が見える,などというものだ。それも,「なんだか色を感じる」なんていうものではなく,本当に色が見えるのだという。 これは共感覚と呼ばれている […]

はるかなる蜃気楼

先日,出張で琵琶湖畔の長浜を訪れた。宿泊先のホテルで早く目が覚めてしまったので,僕は,そのホテルから電車で一駅の出張先まで,朝の湖畔沿いの道を歩いて行くことにした。その日の朝は急に冷え込んでいて,湖から吹き付ける風に震え […]
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