阪大、生体内での遺伝子活性化の目印の観察に成功

大阪大学生命機能研究科特任研究員の佐藤優子氏、准教授の木村宏氏を中心とする共同研究グループは、遺伝子活性化の目印となるヒストンH3蛋白質のアセチル化修飾を生体内で検出する方法を開発した。

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これまで、アセチル化修飾などの蛋白質の翻訳後修飾を生体内で観察する方法はなかったが、木村氏らは、アセチル化修飾を受けたヒストンH3を特異的に認識する抗体をもとに、蛍光プローブ Mintbody(Modification specific intracellular antibody[修飾特異的細胞内抗体])を作製し、モデル生物(ショウジョウバエおよびゼブラフィッシュ)の初期発生過程に導入して観察したところ、ヒストンH3のアセチル化修飾の変動を、世界で初めて観察することができた。

これは、生体内で、細胞の発生や分化をつかさどる機能が、どこで、どのように活性化しているのかを生きたまま視覚的に観測できることを意味する。Mintbodyは、今後の発生・再生の研究や、抗がん剤などの創薬開発に極めて有用であると考えられる。

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