産総研、世界最小、配線幅3μmの超微細インクジェット銅配線技術を開発

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とSIJテクノロジ、イオックス、日本特殊陶業、大阪市立工業研究所、産業技術総合研究所は、インクジェット方式による銅配線で世界最小線幅となる3μmの超微細配線形成技術を開発した。

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研究グループは、ICパッケージ基板に求められる信頼性を達成するために、インクと基板との十分な密着力を実現しつつ、インクジェット方式に適合する銅ナノ粒子インクを開発。その銅ナノ粒子インクを用い、インクジェット適合性評価や吐出条件の最適化などにより、超微細インクジェット技術で線幅3μm、ピッチ6μmのラインをエポキシ基板上に直接形成することに成功した。

この手法では、版を作ることなく、パソコン上のデジタルデータのみに基づいて、微細配線が形成できる。銅インクで必須となる還元焼成については、極低酸素還元技術を進化させた新プロセスの開発に成功し、配線の抵抗率を4μΩ・cmまで低減させることができた。インクジェット技術による銅配線形成において、線幅3μmかつ配線抵抗率4μΩ・cmは、これまでで最も優れた値となる。

今回開発した技術はインクと基板の十分な密着力によりICパッケージ基板に求められる信頼性を確保しつつ、低抵抗で微細な銅配線を形成でき、スマートフォンやICタグに利用される次世代IC基板や超小型プリント基板などへ展開が可能。今後さらにこの技術を発展させ高精細な3次元実装への応用を目指すとしている。

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