山口大ら,電波ジェット根元のふらつきを発見

山口大学大,韓国天文宇宙科学研究院,宇宙航空研究開発機構,国立天文台,マックス・プランク電波天文学研究所らの研究チームは,これまで不動と思われていた電波ジェットの根元の位置が,ジェット噴流の軸に沿って大きく“ふらつく”新しい現象を発見した(ニュースリリース)。

活動銀河中心から噴出する電波ジェットは長年観測されているが,根元が大きくふらつくことを直接検出したのは世界で初めて。

今回,共同研究チームは地球から約133メガパーセク(4.3億光年)の位置にある活動銀河マルカリアン421(Mrk 421)の中心核付近で起こったX線大爆発現象の直後から約7ヶ月間にわたって,超長基線電波干渉計(VLBI)である国立天文台のVERA電波望遠鏡を用いて,特に「相対VLBI」と呼ばれる観測手法を駆使した高空間解像度かつ高頻度のフォローアップ観測を行なうことで電波ジェット根元の大きな“ふらつき”を捉えることに成功した。

この“ふらつき現象”は,超巨大ブラックホール近傍での活動が活発なときに噴き出すプラズマ塊の速度の違いによってプラズマ塊同士が衝突する場所が大きく変化することによって生じている,という理論モデルでよく説明される。

また,“ふらつき”の大きさは,(1)プラズマ塊の速度が従来考えられていた速度よりも速いこと,および(2)電波ジェットの根元と銀河中心核の超巨大ブラックホールが30光年以上離れているときがあること,を示唆していると考えられる。

今回の新発見は,長年の謎となっている活動銀河中心核ジェットの形成メカニズムを理解する上での新たな手掛かりのひとつとなることが期待されるとしている。

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