日本レーザー,独SECOPTA社LIBSシステムの取扱いを開始

日本レーザーは,独SECOPTA(セコプタ)と販売代理店契約を締結し,同社のLIBSシステムの販売を2015年7月1日より開始した(ニュースリリース)。

独ベルリンに本社をおくSECOPTA GmbH は,産業分野における分析にフォーカスし,LIBSを応用したレーザー分光による分析装置を製造している。同社の堅牢なインライン計測技術は,品質保証,混合物検査,プロセス管理などに応用される。また高速センサの採用で,特に一次原料・二次原料を扱うアプリケーションにおいて,成分選別や組成評価を効率的に行なうことができる。

1998年にレーザーを用いたセンサコンセプトの実用を目的として設立。2007年からは,産業用途における材料分析のためのレーザー分光システムの取り扱いを開始。2007年11月には,ドイツ産業連盟 の防衛産業委員会より,「Laser-Optical Mine Prodder(レーザ光学地雷探索棒)」の開発に対して防衛産業技術賞を授与されている。

同社製品のラインナップは以下の通り。

■インライン向けLIBSシステム
全ファイバーデリバリ型のLIBS分光計。LIBS用のパルスレーザー照射,およびプラズマ発光の受光の全ては,ファイバー接続タイプの小型測定ヘッドを介して行なえるため,既存システム,既設ラインへの組み込みが容易。

ソフトウェアは,アプリケーションに応じて様々な分類手法・定量分析を提供。さらに,インライン・オンライン組み込みを見据えて,PLCとの通信,データ処理・転送,カスタムGUIなどのユーザー要求に対してもサポートしている。
【主な仕様】
解析手法:LIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光法)
パルスエネルギー:3 mJ
繰り返し周波数:100 Hz
分光器仕様:波長範囲:190~1000 nm
分解能:0.05~1 nm (アプリケーションによる)
レーザー伝送方式:ファイバー伝送式
ワーキングディスタンス:75mm,100mm,150mm,200mm

■ラボ用卓上タイプLIBSシステム
2次元または3次元の組成マッピングが可能な卓上サイズのラボ用ツール。微小に絞ったレーザースポットをXYZ軸ステージでスキャンすることでワークの組成マッピングを手軽に行なえる。材料研究や品質管理用途として最適。

解析ソフトウェアは,アプリケーションに応じて様々なデータ処理方法や解析手法を提供。ケモメトリクス手法に基づく定量分析,ライブラリマッチングによる自動分類が行なえる。試料分類においては自己学習機能(ニューラルネットワーク)も搭載している。
【主な仕様】
解析手法:LIBS(レーザー誘起ブレークダウン分光法)
パルスエネルギー:3 mJ
繰り返し周波数:100 Hz
分光器仕様:波長範囲:190~1000 nm
分解能:0.05~1 nm (アプリケーションによる)
ステージ動作範囲:X = 240 mm,Y = 200 mm,Z = 90 mm

■超高速インライン向けLIBSシステム
超高速にLIBS測定する必要がある用途向けのインライン装置。リサイクル工場用途や原料受け入れ工場など,ベルトコンベヤに乗って次々と流れてくるワークを全自動でLIBS測定する。

用途に応じて,据え置き用途向けの固定フォーカスモデル,ワークの表面形状にあわせてフォーカスを自動追従するオートフォーカス機能搭載モデル,オートフォーカス機能と横方向スキャン機能を組み込んだフルオートシステムの3モデルを展開している。