筑波大,プロジェクションマッピングを体育館に導入

筑波大学は,附属大塚特別支援学校の体育館を改修し,子どもたちの動きや動作,集団行動を計測するためのカメラやウェアラブル機器を活用し,それらに合わせて床面や道具などにプロジェクション・マッピングを行うための設備を備えた,「ミライの体育館™」(商標登録済:区分第41類)として運用を開始した(ニュースリリース)。

今後,この体育館において,発達障害のある子どもたちの社会的な行動を見守りながら,社会性を育み,創造的な活動により自身を表現する力を養うための最先端の情報工学・発達心理学・医学における学際研究を行なう。

筑波大学は,世界最高水準の特別支援教育を目指す附属大塚特別支援学校内に「ミライの体育館™」を設置した。今後約5年間をかけて,未来の子ども達のために創造的な活動を促進する情報環境を構築するとともに,ICTと先進的な情報学研究における本学の教育研究上の拠点として活用してまいく。

体育館は,体育やスポーツを通じて心身を鍛える場所であるとともに,入学式や卒業式といった晴れの舞台を祝う社会的な場所でもある。子ども達の表現力を伸長し創造力を育む学芸会や音楽会,日頃の成果を発表する展覧会や学習発表会,生徒・児童が集う全校集会等の学校行事だけでなく,地域の人々との交流にも利用される。

「ミライの体育館™」では,最先端のセンシング技術を利用した社会的行動の計測と,個々の生徒に情報提示が可能になる複合現実感技術により,発達障害のある子どもたちの社会性形成の支援と創造的活動の促進に資する研究を行なう。

人々の表情を理解して,他の人と交流するために行動するといったことが困難な子ども達の理解を助け,その行動を支援するといった次世代の情報保障技術を通して,知的障害児や自閉症児,および他の障害児も対象としたインクルーシブ教育の推進に大きく貢献すると期待する。

なお,学校施設のため,一般公開は行なっていない。

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