京大、脳波測定によりチンパンジーも他者の表情を素早く察知することを発見

京都大学霊長類研究所特定准教授田聡氏らの共同研究グループは、チンパンジーが情動的画像を見る際の脳内処理について、世界で初めて脳波測定によって明らかにしました。チンパンジーのおびえた表情などを捉えた情動画像と、穏やかにくつろぐ姿などを捉えた中立画像をチンパンジーに見せ、その際の脳波を比較したところ、画像が表示されてからおよそ210ミリ秒(0.21秒)以降に両者で明確な違いが生じることを発見した。

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われわれ人間の「心」は、進化の長い過程の中で形作られたものだが、ヒト以外の動物とも、様々なレベルで類似性、連続性がある。心の進化的基盤を探る研究の枠組みにおいて、本研究は、(1)情動に関わる処理過程に着目し、(2)その脳内機構をヒトに最も近縁なチンパンジーを対象に調べたという点において革新性がある。心の進化を探る新たな窓を開いた研究と位置付けることができる。

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