北大など、未知の南極底層水を発見

北海道大学低温科学研究所教授の大島慶一郎氏, 准教授の深町康氏が中心となり,タスマニア大学, 東京海洋大学,国立極地研究所などとの共同研究で、今まで,底層水生成に関しては,ロス海・ウェッデル海のように広い陸棚・窪地と棚氷が不可欠されていたが,それらの条件がなくても,海氷生成が非常に強力であれば底層水は作られることを示した。

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世界で一番重い海水は南極海で作られ,南極底層水として沈み込み,全世界の海洋深層に拡がっていくことで,海洋の大循環が駆動されます。南極底層水の生成域として今まで 3 ヶ所が知られていたが,今回新たに,南極昭和基地の東方 1,200km のケープダンレー沖でも南極底層水が生成されていることを突き止めた。この海域では,多量に海氷が生産され,その際に塩分の大半が氷からはき出されることで低温・高塩の重い水が多量に作られる。そして,これが底層水生成域となっている要因であることも明らかにした。この底層水生成域の発見は,今までの海洋深層循環像を一部描き換えるものであり,地球の気候を決める海洋大循環とその変動の理解にもつながる研究と言える。

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