東大など、ミュー粒子の崩壊から素粒子標準理論の破れを探索

東京大学を中心とする国際研究グループ(MEG実験)は、世界最高強度のミュー粒子ビームとこの実験のために開発した優れた素粒子測定器を用いて、標準理論を超える大統一理論などの新しい物理が予言する未知のミュー粒子崩壊モードを世界最高感度で探索することに成功した。

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達成した実験感度はMEG実験以前の実験のおよそ20倍(MEG実験では、前回2011年9月の発表時からは約4倍)であったが、この感度をもってしても未知の崩壊モードの発見には至らなかった。この結果により超対称大統一理論などの新理論に対してこれまでにない厳しい制限を加えることになった。LHCでの実験結果と合わせて、今まで標準的と考えられていた理論シナリオが崩れつつあり、更なる高精度での探索が強く期待されている。

MEG実験は現在継続中であり、今夏までにデータ量を倍増させる予定である。また、測定器を改良して一段と探索感度を向上させるアップグレード実験計画がこの1月にスイスPSI研究所によって承認されており、2016年から更に一桁感度を上げて探索を進めて行く予定である。

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