産総研,二酸化炭素から医農薬中間体を効率的に合成することに成功

産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門 分子触媒グループ主任研究員の藤田賢一氏,同研究グループ長の安田弘之氏 らは,二酸化炭素とアミン化合物を原料として,医農薬の中間体として有用な2-オキサゾリジノン誘導体を,常温常圧のまま水中で合成できる技術を開発した。

触媒となる金の錯体を,デンドリマーと呼ばれる樹木状の構造をもつ分子で包み込み保護することで,触媒の親水性化と長寿命化を同時に実現した。この触媒を水中で使ったところ,反応容器が二酸化炭素で満たされた状態で,加圧や加熱をせずにアミン化合物から抗生物質やフラルタドンなどの医薬品の中間体である2-オキサゾリジノン誘導体が収率よく合成できた。

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この成果は,有機溶媒を使わない医農薬中間体の新しい製造法に繋がるとともに,化学品製造時の環境負荷低減に貢献すると期待される。

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