富士通研究所など,超高精度の周波数間隔で光信号を自在に合成する技術を開発

富士通研究所とドイツ・フラウンホーファー・ハインリッヒ・ヘルツ研究所(HHI)は,電気処理を介さない光領域での周波数変換を用いて,光ファイバ内に極めて高い精度の周波数間隔で光信号を自在に合成する技術を開発した。この技術を用いて,離れた4地点からの毎秒50Gb/sの光信号を,200Gb/sの大容量光信号「光スーパーチャンネル」へ高精度に合成する実験に世界で初めて成功したという。

今回開発した技術は,各地点で安定した周波数源をもとに希望通りの周波数間隔の信号光を生成し,全光周波数変換により,狙った光周波数(波長)に極めて正確に信号を載せることが可能となる。これにより,光源であるレーザーダイオード(LD)の発振波長に関係なく,光信号を光ファイバ内に自在に合成することができるとしている。

実験では,各地点に独立して配置した通常の発振動作状態のLDを波長選別することなく用いながら,高い周波数精度で安定に光信号を合成している。
この技術では,通常の光送信機はもとより,ネットワーク内の離れた地点にある信号から,ナイキストWDMやCO-OFDMといった超高密度光多重信号を自在に合成可能であることを確認したという。

膨大な情報信号を光ファイバ回線に自在に多重・収容可能で,次世代のフレキシブルな光ノードの実現につながる要素技術の1つと位置づけられるという今回の技術だが,今後はさらなる高性能化など実用化に向けて研究を推進していくとしている。

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