京大医師主導治験による国内外未承認薬の薬事承認

先端医療開発スーパー特区「難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬(難病創薬スーパー特区)」の中核拠点である京都大学医学研究科内科学講座内分泌・代謝内科および京都大学医学部附属病院探索医療センターは、脂肪萎縮症による糖尿病および高中性脂肪血症などの改善を目的とするレプチンの医師主導治験について、2012年4月に治験終了届けを提出し、この成績をもとに同年7月塩野義製薬より承認申請がなされ、3月25日付で製造販売が承認された。

脂肪萎縮症は、脂肪組織が消失あるいは減少する稀少難病で、難治性の糖尿病や高中性脂肪血症、脂肪肝などを呈し、これまでに有効な治療薬は開発されていない。

近年、米国の国立衛生研究所や本学内分泌・代謝内科の臨床研究により、脂肪萎縮症では脂肪組織の消失あるいは減少により、脂肪組織から分泌されるホルモンであるレプチンの欠乏あるいは減少が病態形成に重要な役割を果たしていること、レプチンが脂肪萎縮症による糖尿病、高中性脂肪血症、脂肪肝などを著明に改善することが証明されてきましたが、未だレプチンは国内外で未承認薬のままだった。

組換え型レプチン(ヒト)(一般名:メトレレプチン)の製造販売承認により、全国の脂肪萎縮症患者がレプチン治療を受けられるようになり、その予後が大きく改善するものと期待される。

詳しくはこちら