京大,負の熱膨張を持つ,新しいペロブスカイト構造酸化物を開発

京都大学化学研究所教授の島川祐一氏は,作製したペロブスカイト構造酸化物を調べるうちCuとFeの2種の金属イオンが入ったLaCu3Fe4O12に,様々な興味深い特性があることを見出した。

1

その一つが負の熱膨張で,温度が120℃に達すると-1%という巨大な負の熱膨張を示すというもの。さらに,この材料は温度が低い時には金属的な電気特性(導電性)を持つが,温度が上がって熱膨張が起きると絶縁体になる。また磁気特性も通常は常磁性であるのが,熱膨張後は反強磁性へと変化するという特徴も併せ持つ。

この材料は安価で安全な材料の組み合わせによるものであり,製法も個相反応と高圧合成法によるもので簡単。元素の組み合わせや外部から電流や磁場を加えることで,熱膨張が起こる温度や体積変化を制御することもできる。

詳しくはこちら。