日立ハイテク,電子顕微鏡用イオン液体を世界に先駆けて発売

日立ハイテクノロジーズは,観察画像の障害と試料形態の収縮や変形を防ぐことのできる,安全性の高い,日立電子顕微鏡用イオン液体 HILEM「IL1000形」を世界に先駆けて商品化し,5月20日より発売する。価格は198,000円。

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これは日立ハイテク,ミヨシ油脂,大阪大学,北海道大学による共同研究のもと,世界に先駆けて開発した,日立電子顕微鏡用イオン液体。これを希釈して試料に含ませることにより,SEM観察における導電性付与剤,チャージアップ軽減剤としての役割を果たす。また,試料表面が入り組んだ凹凸の激しい試料でも全体に浸み込み,真空状態での水分蒸発による試料形態の収縮や変形を防ぎ,試料の形状を損なうことのない観察を可能にした。さらに,今まで必要だった固定・脱水・乾燥などの作業工程が不要になるため,ユーザの作業時間の短縮と作業工程の簡略化を実現した。

また,イオン液体は,現在200種類以上が市販されているが,腐食性を持つ有害なガスが発生するものや,毒劇法,化管法,化審法等の国内法令の規制対象物質となっているものもある。この製品は,界面活性剤と同様の構造をもつ有機塩が主成分で,生体関連物質のコリンと類似した構造。各種試験で安全性を確認しており,ユーザが安心して作業ができる。

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