海洋研、地球温暖化に伴う赤道準2年振動の弱化傾向を発見

海洋研究開発機構地球環境変動領域主任研究員の河谷芳雄氏とハワイ大学国際太平洋研究センター教授のKevin Hamilton氏は、60年分の観測データを解析し、赤道域の成層圏(高度約18km-50kmの領域)に存在する赤道準2年振動(QBO)※の強さが、過去数十年にわたって弱まっている事を世界で初めて発見した。

更に最新の気候モデルデータを用いた考察から、QBOが弱まる原因は高度19km付近の赤道上昇流が強まる為である事も示した。

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本研究は世界の主要な気候モデルで予想されていた、成層圏の地球規模の流れが地球温暖化によって強まる事を観測データから初めて立証し、世界的に懸念されているオゾンホールの今後に関連して、特に将来のオゾンホールの回復に関する検討に大きな示唆を与えるもので、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の科学的知見の集約に大きく貢する。

※赤道域の西風と東風が約28ヶ月の周期で交互に吹いている現象。

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