産総研、多層グラフェンを用いた微細配線作製技術を開発

産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門連携研究体グリーン・ナノエレクトロニクスセンター連携研究体長の横山直樹氏、特定集中研究専門員の佐藤信太郎氏、近藤 大雄氏らは、二次元ナノカーボン材料である多層グラフェンを利用した低抵抗で高信頼性の配線を開発した。

従来の技術では、主としてグラファイト結晶からの剥離によりグラフェンを得ていたが、今回はコバルトのエピタキシャル膜を触媒とし、化学気相合成(CVD)法により多層グラフェンを基板上に合成した。

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この多層グラフェンは高品質結晶グラファイトから得たグラフェンと同様の構造、電気特性を持っていた。また、銅よりも高い電流密度耐性を持つ。さらに、この多層グラフェンの層間に異種分子(塩化鉄)をインターカレーションすることにより、銅と同オーダーの抵抗率(9.1 μΩcm)が得られた。これは従来のCVD法により合成されたグラフェンで得られた値に比べると約1桁小さい。

低消費電力化のための大規模集積回路(LSI)微細配線への応用が期待される。

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