東北大、二酸化炭素を原料として有用な化学品製造が可能に

東北大学大学院工学研究科教授の冨重圭一氏らの研究グループは、新日鐵住金株式会社との共同研究にて、地球温暖化の主原因物質である二酸化炭素を、メタノールと反応させることで、プラスチックの原料やリチウムイオン二次電池の電解液として有用な炭酸ジメチルへ変換する高効率な触媒反応系の開発に成功した。この反応系が将来的に工業化されれば、ホスゲンなどの有害な物質を用いずに二酸化炭素を原料として有用な化学品製造が可能になると期待される。

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開発した反応系では、酸化セリウム(CeO2)を触媒に用いて、二酸化炭素とメタノール、ニトリル脱水剤(2-シアノピリジンなど)を反応させることにより、炭酸ジメチルを最高収率94%(世界最高)で得ることができる。

反応後にニトリル脱水剤はアミドに変換されるが、炭酸ジメチル、アミド、触媒は容易に分離することができる。さらにアミドをニトリル脱水剤へ再生することで、二酸化炭素から高収率でDMC のみを製造するプロセスの構築にも成功した。

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