東大など、H7N9鳥インフルエンザウイルスの特性を解明

科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、東京大学医科学研究所教授の河岡義裕氏らは、H7N9鳥インフルエンザウイルスの特性を明らかにした。

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研究グループは今回、中国の患者から分離されたH7N9ウイルスに関する性状解析を行なった。その結果、哺乳類でよく増殖できる能力を持つこと、フェレットの間で限定的ながらも空気伝播することが分かった。また、ヒトはH7N9ウイルスに対する免疫を持たないこと、および患者から分離されたH7N9ウイルスは現在臨床で用いられているノイラミニダーゼ阻害剤に対する感受性が低いことも動物実験で明らかとなった。従って、H7N9ウイルスによるパンデミック(世界的な大流行)が起これば、甚大な被害をもたらす可能性が高いと予想される。

今回明らかにされたH7N9ウイルスの性状は、治療方法やワクチン開発、新規抗ウイルス薬の開発を含めた今後の対策を考える上で、重要な発見である。なお、この研究は、東京大学、国立感染症研究所、北海道大学、スクリプス研究所、ウィスコンシン大学、宮崎大学、動物衛生研究所、鹿児島大学、京都大学との共同研究。

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