凸版印刷,冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージ加工にレーザを応用

凸版印刷は,電子レンジ調理時の安全性を高めた冷凍・チルド食品向けパッケージの蒸気抜き部分にレーザを応用し,新たな蒸気抜きパッケージを開発したと発表した。

パッケージのまま電子レンジで調理する食品は,電子レンジで加熱すると袋内部の温度が上昇し,パッケージ内部に蒸気が発生するが,この蒸気の圧力による袋の破裂を防止するため,これらのパッケージには蒸気を逃がす工夫が施されている。

今回同社が開発した製品は,レーザ加工でパッケージ内の蒸気を逃がすための微細な孔を空けることにより,パッケージのまま電子レンジでの調理を可能にしたもので,調理時に微細な蒸気孔が成形される仕組みを可能にした。同社によれば,レーザ加工を用いた,この冷凍・チルド食品向け蒸気抜きパッケージは業界初としている。

imageHP

蒸気抜きパッケージを用いた商品のサンプル(左)、電子レンジ調理で発生した蒸気による内圧で蒸気孔が貫通する(右) 

 

具体的には,積層されたフィルムのうち,基材となるフィルムのみにレーザで孔を空ける。電子レンジ加熱時は,食品に密着する内側のフィルム(シーランド)が蒸気で伸張し,やがて避けることにより,孔がパッケージの内外を貫通するという。

新パッケージは,内圧が高まりすぎることなく徐々に蒸気を逃がす形状を実現したことにより,加熱調理完了後に食品を取り出す際のやけどのリスクを低減し,また,蒸気孔が微細かつ蒸気孔の位置を自由に設定可能なため,スープスパゲティやリゾットなど,水分量の多い食品の液垂れ防止効果も期待できるとしている。また,電子レンジ調理するまでシーラントで内容物の衛生性を保持し,異物混入を防止できるという。同社はこの製品を冷凍食品業界やチルド食品業界などへ拡販し,2015年度に5億円の売上げを目指す。

詳細はこちら