京大など、白血病・骨髄異形成症候群(血液がんの一種)の原因遺伝子異常を発見

京都大学医学研究科教授の小川誠司氏をはじめとする国際共同研究チームは、600例以上のMDSやAMLの症例を対象として高速ゲノムシーケンス技術を用いたゲノム解析を行ない、「コヒーシン」と呼ばれる、細胞分裂や遺伝子の転写調節において重要な働きを有することが知られているタンパク質複合体を構成する遺伝子の変異が、骨髄異形成症候群(MDS)、 慢性骨髄単球性白血病(CMML)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)などの「骨髄系腫瘍」に分類される血液がんで高頻度に認められることを解明した。

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今回の研究成果によって、コヒーシン遺伝子の変異がMDS、CMML、AML、CMLなどの「骨髄系腫瘍」に高頻度にみられる重要な遺伝子変異であることがわかった。今後、骨髄系腫瘍の患者の診療において、コヒーシン遺伝子の変異をマーカーとして予後予測を行ない、最適な治療法を選択することに役立つことが期待される。

また、コヒーシンの遺伝子変異はこれまで骨髄系腫瘍で知られてきた遺伝子変異とは異なる新たなグループに属する遺伝子変異であることから、コヒーシン遺伝子の変異を治療標的とした新たな創薬に期待がもたれる。

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