富士フイルム,液体の吸引性能と処置具の操作性を向上した上部消化管用経鼻内視鏡を発売

富士フイルムは,鼻からの挿入で咽頭反射による嘔吐感を軽減する経鼻内視鏡の新ラインアップとして,検査時における体液など胃内の液体の吸引性能と処置具の操作性を向上した上部消化管用経鼻内視鏡「EG-580NW2」を,10月21日より富士フイルムメディカルを通じて発売する。

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富士フイルムは,先端部径が5.9mmと細く,鼻からの挿入に適したしなやかさを持つ経鼻内視鏡を平成14年に発売し,医師や患者のニーズに合わせた製品開発を通じて経鼻内視鏡検査の普及を図ってきた。経鼻内視鏡を用いた検査は,口から挿入する経口内視鏡を用いた検査に比べ,嘔吐感が少なく,検査中に会話できることから患者負担の少ない検査として注目されている。

今回発売する「EG-580NW2」は,先端部径を従来機よりも細い5.8mmとしながら,体液など胃内の液体を吸引したり,処置具を出し入れする鉗子口径を2.4mmまで拡大した。これにより,従来機比約1.4倍の吸引性能と生検鉗子などの処置具の操作性向上を実現した。

また,送気・送水性能の向上を追求し,送気・送水管の構造を改良した。検査中は,視野を明瞭にするために内視鏡を挿入した状態で,内視鏡先端のレンズに付着した粘液などを送水して洗浄し,その水滴を送気によって吹き飛ばし,綺麗にする作業を何度も繰り返し行なう。今回の改良により,レンズの洗浄後に水滴が残りにくくなったため,視界が明瞭になり,検査時の医師のストレス軽減や検査時間の短縮につながることが期待される。

このほか,従来機と同様に高解像度と低ノイズを両立する画像センサ「スーパーCCDハニカム™」と歪みの少ない独自開発レンズを搭載し,胃がん検査に必要な近景観察および遠景観察のどちらにおいても高い観察性能を提供する。

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