東大、計測信号の「時間ゆらぎ」により脳計測の精度が飛躍的に向上することを発見

東京大学大学院工学系研究科准教授の渡辺正峰氏らは、ヒトの脳を傷つけることなく外側から計測できる手法の中で最も空間解像度の高い磁気共鳴機能画像法(fMRI)において、計測精度の飛躍的な向上につながる計測信号の「時間ゆらぎ」を発見した。

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「時間ゆらぎ」を踏まえた解析によって、神経活動により近い信号成分を高い信頼性で検出できるようになり、現在は時間的に秒レベル、空間的にはミリレベルの精度をもつfMRIの測定が、原理的には100ミリ秒レベル、100マイクロメートルレベルの精度で可能となる。

この成果を現在のfMRI計測に用いることにより、言語・論理・直感などヒトならではの機能を司る脳の微細構造が観測可能となり、高次脳機能の解明への期待が高まる。また、fMRIを用いて脳の神経活動と血管状態を分離して同時に観測することが可能となり、医療への応用が期待される。

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