大阪府大と阪大、ドーナツビームと揺らぎの効果でナノ粒子の高均一化と配列に成功

大阪府立大学21世紀科学研究機構テニュア・トラック講師の飯田琢也氏と大阪大学大学院基礎工学研究科助教の伊都将司氏らのチームは、光合成アンテナの進化の過程から着想を得て、円環型の強度分布を持つ特殊なレーザ光である「ドーナツビーム」を照射することで金属ナノ粒子の水溶液からの均一な形の粒子だけを取り出し、円環状に並べることに成功した。

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研究グループは光が物質に及ぼす力である「光誘起力」を外部刺激とみなし、揺らぎの効果が顕著な常温の水中に分散した銀ナノ粒子にレーザ光を照射して配列させることを試みた。

特に、光誘起力を発生させるための光源として、円環状光合成アンテナと類似した強度分布のドーナツビームに着目した。このドーナツビームを様々な形状の銀ナノ粒子を含む分散液に照射すると、長波長の光に対しては細長い銀ナノ粒子が、短波長の光に対しては球状のナノ粒子が選択的に抽出され、さらには向きを揃えて基板に円環状に集積する条件を解明した。

この成果は薬の材料となるナノ物質の分離抽出や、高効率に光を捕集するナノ粒子を太陽電池の表面に配列するなど医薬品開発・光エネルギー変換の革新につながると期待される。

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