パナソニック,照明と空間演出を融合したレーザプロジェクタを発表

パナソニックは,レストランやブティックなどの空間演出と照明を兼ねたレーザプロジェクタ「Space Player(スペース プレーヤー)」を2014年7月1日に発売すると発表した。オープン価格だが,実売は30~40万円を想定。コンテンツ販売も含めて2018年度に30億円の売上を見込む。

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これは同社が提案する,映像を用いて照明を行なう「プロジェクションライティング」をコンセプトとして,新たな市場の開拓を目指す製品。プロジェクションマッピングのように,映像ソースと照明を組み合わせることで,商品や店舗を演出する。

通常のプロジェクタと違う点として,スポットライト型とすることで,これまでの照明と違和感の無い形状に仕上げてあるほか,スポットライトなどの設置に使われる配線ダクトを電源として使用するので,設置も簡単にできる(重さ3kg)。また,通常のプロジェクタでは考慮されていない真下方向への照射も可能にした。

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設置は配線ダクトを使用

光源には青色の半導体レーザを使用。これをカラーホイールに通したのちに,DMDを用いて1,039,680画素(WXGA相当)の映像を投映する。明るさは1000 lm。レーザについては具体的な出力等は明らかにしていないが,もちろんJISの安全基準はクリアしたという。寿命については20,000時間(輝度が50%になった時点)を確保した。

2.2倍のズームレンズを搭載し,3.5m先に60インチの映像を投映する。再生ソースにはSDカードを用いるほか,ミラキャストによるWi-Fiや,HDMIケーブルによる有線通信も可能になっている。また付属のリモコンによる操作もできる。

使用シーンは主に店舗やギャラリーなどを想定しており,例えばレストランで使用する場合,テーブルの料理や飲み物に美味しく見せる効果のある照明を当てたり,メニューやワインの解説を近くの壁に映し出すといった使い方をイメージしている。また,ブティックでは販売する洋服の情報や,使用環境をイメージした映像を流すなどすれば,販促ツールとして高い効果が期待できるとしている。

同社は今後の照明事業の展開についても発表を行なった。2013年度の同社のライティング事業部の売上見通しは,グループ全体の4%となる3,150億円。同社エコソリューションズ社副社長でライティング事業部長の北野亮氏によれば,同社は今後,LEDへの買替え需要の獲得や,機能性照明による新たなニーズの掘り起こし,海外売上比率の増加などによって,2015年度には3,450億円,2018~20年度には4,000億円の売上と10%以上の利益率を目指す。また,現在海外向けを含めて45%となっている製品光源のLED比率も,それまでにほぼ100%とする計画だ。

「Space Player」のリリースはこちら。