富士フイルム、類似症例検索システム 「SYNAPSE Case Match(シナプス ケース マッチ)」が肝臓がんに対応

富士フイルムは、静岡県立静岡がんセンターと共同開発した、人工知能の技術を用いて画像診断をサポートする類似症例検索システム「SYNAPSE Case Match(シナプス ケース マッチ)」に、新たに肝臓がんの画像検索機能を加えた製品を開発した。

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類似症例検索システム「SYNAPSE Case Match」は、過去の症例データベースから、病変の画像の特徴が類似した症例を瞬時に検索し、似ている順に表示するシステム。医師は、表示された画像やその診断結果を参考にして、CT画像の診断を行なうことができる。同社は、平成24年10月より肺がんを対象として同システムを提供してきたが、対象疾患の拡大を望む声も多く挙がっていた。

今回新たに類似症例検索の対象となる肝臓がんは、がんの中でも罹患数、死亡数が多い疾患の一つである。肝臓がんの疑いがある患者には、造影剤を使用するCT検査が行なわれる。肝臓がんは早期発見が重要なため、画像診断医には、CT画像における腫瘤の濃染のパターンや形状などから、肝臓腫瘤を正確かつ迅速に診断することが求められている。

今回提供を開始する「SYNAPSE Case Match(Ver.2.4)」は、静岡がんセンターで蓄積された約1,000の肺がんの症例データベースに加え、約300 例の確定診断のついた肝臓腫瘤の豊富な症例データベースが搭載しており、さらに、導入施設ごとに自院の症例を追加登録して症例データをより充実させることができる。

独自の画像解析技術を組み込んだ画像検索機能は、肝臓腫瘤の病変部の複雑かつ多様な画像を、濃染のパターンや形状などの特徴で分類して数値化し、医師が診断の際に留意する観点に基づいて画像の類似性を定量化している。

さらに、この製品には、画像診断医や臨床医が自院で診断した症例を登録し教育目的に使用できる「ティーチングファイル機能」のほか、「電子医学書」などを標準搭載。加えて、同社の放射線読影レポーティングシステムと組み合わせて使うことで症例の管理、実症例を用いた学習への活用を行なえる機能を備えている。

詳しくは富士フイルムニュースリリースへ。