大日本スクリーン製造,ITO透明電極検査装置を開発

大日本スクリーン製造は,スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルに使われているITO透明電極を,高速でスキャン・画像化する検査装置を開発している。

従来ITO透明電極の検査には主にレーザ顕微鏡が用いられてきたが,基本的に目視でパネル上の点と点を結ぶようにして欠陥を探していくために効率が悪く,同社によると7インチタブレット(170×120mm)を全面検査した場合,約6,000秒を要していた。

現在開発しているITO電極検査装置は,全面を高速で自動的にスキャンする方式により,同じ面積を15秒でデータとして取得することができる。

原理としては,検査対象となるITO透明電極にLED光を照射し,特殊な光学系を介して反射光を撮像する。LEDはITO透明電極を観察するのに適した青色を用い,基板との僅かな屈折率の差を強調することでコントラストを上げて画像化する。

解像度は4μmで,最大300×300mmの基板を30秒でスキャンできる。画像処理によりクラックなどを強調表示したり,線幅を測定してその分布を図に示すこともできる。また,光学透明接着剤(OCA)を使用していても使えるとしているが,一方で銀ナノワイヤについては解像度や撮像方式の問題から対応しないとしている。

同社では製品化に向けて最終的な詰めを進めており,今年9月にはリリースする予定。また,ロール・トゥ・ロールによる大判化(600×650mm)にも対応する装置も2016年3月に発売する。

価格は未定だが,「レーザ顕微鏡にXY自動ステージを取り付けた位の価格」(担当者)を狙っているという。この装置はITO透明電極の検査装置として開発されたが,例えば透明基板上の透明樹脂や接着剤など,想定外のニーズも考えられるとしており,その応用が期待される。