トプコンは，理化学研究所（理研）光量子工学研究領域（緑川克美領域長）と，光・量子工学分野における研究成果のより早期な創出を目的とした「連携推進のための協定書」を締結したと発表した（ニュースリリース）。

理研の光量子工学研究領域は，光・量子工学分野の最先端研究を行なっている。特に，今まで見えなかったものを見るため光の可能性を極限まで追究しており，例えば，電子の動きを捉えるアト秒パルスレーザ，厚いコンクリートの内部を非破壊で観測する中性子ビーム，蛍光タンパク質を用いた環境モニタリング，光と電波の両方の性質を持つテラヘルツ波など幅広い技術の研究に取り組んでいる。また，これらの新しい光・量子技術を社会に役立てることをミッションとしている。

これまでトプコンと理研の光量子工学研究領域とは，個別のテーマごとに共同研究を行なってきたが，今後は，光・量子工学分野における幅広い連携を通じて，両者が持つ知見や技術力を一層融合させ，次世代非破壊計測技術分野，次世代画像処理技術分野，次世代予測診断技術分野など，光・量子工学分野での研究成果の早期創出につなげていく。

具体的には，コンクリート構造物などの社会インフラの劣化診断用センサの開発，3D OCT用次世代画像処理技術を開発して予防・予後分野での活用，IT農業向けの生育センサの開発などへの応用を検討している。