月刊OPTRONICS 8月号特集連動企画

月刊OPTRONICS 2015年8月号 では「進化する自動車を支える注目の光技術」を特集します。ADAS(先進運転支援システム )の進化や自動運転技術へ注目が集まる中,自動車は新たな進化を遂げようとしています。
月刊OPTRONICS 8月号特集「進化する自動車を支える注目の光技術」総論(執筆:㈱豊田中央研究所 各務 学氏)公開中

そんな中において,光技術はこれまでの灯火類だけではなく,センサやヘッドアップディスプレイ(HUD)などでの利用が始まっています。また研究開発では,X線によって電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HV)に欠かせない,二次電池やその電極のメカニズムが解明されようとしています。さらには製造でも,レーザ溶接がこれまでのスポット溶接に取って代わろうとするなど,その応用は大きな広がりを見せています。

ここでは,ここ2年ほどの間にOPTRONISC ONLINEが掲載した,自動車関連の記事をピックアップしてみました。編集してみるとかなりの数の記事があり,自動車産業における光技術への期待の高さがうかがえました。

目次
1:製品(自動車搭載機器/製品)
2:製品(自動車開発/製造/その他)
3:自動車を巡る研究・ビジネス動向
4:自動車を巡る光関連市場動向
5:EV開発とX線イメージング
6:コラム・解説
7:自動車関連技術動画

製品(自動車搭載機器/製品)

2014年10月20日
ソニー,0.005ルクスでのカラー撮影が可能な車載向けCMOSイメージセンサを発売

星明かりよりもさらに暗い,闇夜に相当する低照度0.005ルクスの環境においても高画質なカラー映像の撮影を可能とする,世界最高感度を実現した車載カメラ向けCMOSイメージセンサ。

2014年05月13日
オムニビジョン,車載向け裏面照射HDR CMOSセンサを発表

1/3インチのCMOSセンサ(パッケージサイズ 7.4×7.2mm)で,120dBのハイダイナミックレンジ(HDR)と130万画素の解像度を有し,毎秒60フレームのRAWデータを出力する。

2013年11月12日
東芝,車載用ビューカメラ向けVGA CMOSイメージセンサをサンプル出荷

ハイダイナミックレンジ(HDR: High Dynamic Range)機能を搭載しており,太陽や車のヘッドライトによる逆光条件でも被写体を高品質な映像で出力することが可能。さらに,TSV技術を用いたチップサイズパッケージ(CSP)の採用により,パッケージサイズを従来製品と比較して約30%削減した。

2013年04月30日
パナソニック,高画質CMOSセンサを搭載した車載リヤビューカメラを発売

ハイダイナミックレンジ(HDR: High Dynamic Range)F値も従来の2.4から2.0へと業界最高の明るさ高感度レンズを開発し,視野角も水平135° 垂直109° から水平145° 垂直112°へと広くすることで,暗い所での視認性が向上,更なる安心・安全の向上を実現した。

2014年03月27日
フィリップス,自動車用LEDフォグバルブを発売

フィリップス ルミレッズ製のハイパワーLEDチップを採用し,従来のハロゲン球(H8/16タイプ)と比較して明るさが最大45%向上した。

2013年08月07日
オスラム,広い青色の色域を持つ車載照明向けLEDを発売

照明デザイナーが指定する色を含む,環境光における自由な色彩の選択が可能になった車載照明向け新マルチチップLED「RGB MultiLED」を発売した。最大波長447nmという非常に広い色域の青色と高輝度が特長。

2014年11月21日
小糸製作所,1灯でハイ・ロービームを実現するヘッドランプを開発

これまでの光学系を刷新すると共に,システムのコンパクト化を図ったことで,ハイビームとロービームの機能を1つのLEDユニットで構成することができた。

2015年04月17日
小糸製作所のLEDヘッドランプ,文科大臣賞を受賞

同社は,2007年に世界初となるLEDヘッドランプの量産化に成功した。その後の継続した技術開発により,当初は5個必要であったLEDを1個にまで削減し,LEDの強みである省電力化をいっそう進展させることに成功した。

2014年07月03日
日亜化学,車載ヘッドアップディスプレイ用半導体レーザの製品化を決定

パッケージに半導体レーザで実績の高いφ5.6mmキャンタイプパッケージを使用し,内部に実装する半導体チップの電力から光への変換効率を改善したことにより,信頼性と品質の向上を実現した。

2014年02月12日
三菱電機,HUDを用いた自動車向け操作支援インタフェースを開発

開発した17.2型(3.3m先に表示)の画像サイズで,日中でも視認性に優れる13,000 cd/㎡以上の高輝度表示ができるHUDにより,走行中でも安全で快適に操作が可能。

2014年01月22日
三菱化学,植物由来高機能バイオエンプラにおける自動車搭載タッチパネル用新グレードを開発

植物由来のイソソルバイドを原料とした高機能透明バイオエンプラ「DURABIO」 において,光学特性・耐熱性・耐湿性が優れた新グレードを開発。「自動車搭載タッチパネル」用途に向けて,積極的に拡販していく。

2013年10月28日
旭硝子の自動車用UVカットガラス,米国皮膚がん財団の認証を取得

紫外線(UV)を約99%カットする自動車用強化ガラス「UVベールPremium ®シリーズ」と自動車用合わせガラス「ラミセーフ®」の2製品について,皮膚がんに関する代表的な国際組織である米国の皮膚がん財団(Skin Cancer Foundation)の認証を取得。

2013年06月13日
日本板硝子,自動車向けUVガラスの製造能力を増強

「Super UV cut」ガラスとは紫外線を約90%カットする強化ガラスの車内面に,さらに紫外線を吸収する膜を成膜し,紫外線約99%カットを可能にした製品。自動車のフロントドアに使用され,トヨタ自動車のアルファードやエスティマなどに既に標準採用されている。

2014年07月03日
車載用センシング技術に注目が集まる―Valeoが開口角150°のレーザスキャナを開発

波長950nmの赤外線レーザを4本採用しており,ガルバノスキャナで走査する。レーザの本数を増やすことで,横方向に加えて縦方向にもスキャニングできるものとなっている。                               

2014年01月22日
デンソー,軽自動車向けレーザレーダを開発

市街路や渋滞といった低速域での使用を念頭にスキャンする領域,距離を設定することで,レーザ光発信の機構を簡素化した。

2015年01月13日
コニカミノルタ,最大24レイヤの広画角レーザレーダを開発

クラス1のレーザを用い,車両(リフレクタ)で100m以上,人でも50m以上の測定距離を持つ。垂直方向に最大24レイヤ,水平画角最大180度の広範囲スキャンが可能で,この画角とリアルタイムを両立し,高精細な三次元情報の取得ができる。また外乱光にも強い。

2014年04月04日
デンソー,商用車向けに近赤外線を用いた居眠り検出システムを製品化

カメラで撮影したドライバーの画像をもとにECUが顔の向きや目の開き具合等を解析し,決められた時間,眼を閉じたり,正面を向いていない状態が続くとドライバーに警報を鳴らして安全運転を促す。

2014年06月11日
富士通,広角カメラに対応した車線逸脱警報の技術を開発

面の部分的な白線に対して走行のふらつきに伴う位置ずれを補正し,複数の路面画像を滑らかにつなぐことで路面全体の正しい車線形状を推定する車線認識技術を開発し,広角カメラでも狭角カメラを用いた専用機と同等以上となる95%の警報性能を持つ車線逸脱警報を実現。

2014年05月16日
富士通セミコンダクター,車載カメラ用「接近物検知ライブラリ」の提供を開始

この製品を利用することで,画像認識LSIなどの専用ハードウェアを用いることなく,高性能かつ柔軟な設定が可能な接近物検知機能を短納期で構築することができる。

2014年05月17日
富士通セミコンダクター,接近物検知機能を搭載した車載向け画像処理LSIを発売

CPU・GPU性能の向上により高速処理および鮮明な画像表示を実現すると共に,6本のフルHDビデオ入力、3本のディスプレイ出力機能を搭載し,多彩な入出力制御を可能にした。

2013年10月10日
富士通,車周辺の人や物などの立体物を歪みなく表示する車載向け3次元映像合成技術を開発

前後左右の4台の車載カメラに加え,超広角で高密度な測距情報が得られる3次元レーザレーダを複数併用し,周辺立体物を歪みなく,接触のリスクを分かりやすく表現する車載向け3次元映像合成技術を開発

2013年10月15日
住友電工,車内ネットワーク向けガラス製光ファイバおよびトランシーバを開発

ガラス製ファイバはPOFに対して高速通信が可能で,現在1Gb/sタイプを公表している。ガラス製ファイバの弱点であった曲げ性能はΦ7.5mmに対応しており,取り回しの厳しい車内でも取り扱えるようにした。

                           
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