島津製作所,赤外線式ポータブルガスセンサを発売

島津製作所は,一酸化炭素(CO)・二酸化炭素(CO2)・メタン(CH4)ガスの濃度をリアルタイムでモニタリングすることが可能な赤外線式ポータブルガス濃度測定装置「CGT-7100」を8月20日に発売する(ニュースリリース)。価格は350万円~。

前機種のデザインやユーザーインターフェースを一新し,装置や測定データの運用方法の多様化に合わせて開発したポータブルタイプの赤外線式ガス濃度測定装置。比較信号と測定信号を独立して検出し,比較信号により測定信号を比率補正して,感度を一定に保ちながら,試料濃度を測定するレシオ方式を採用している。

前処理装置を本体に内蔵しているため,オールインワン(装置単体)での測定が可能。また,Wi-Fiによる無線データ通信やUSBメモリによるデータ読み出しに対応したことで,記録計がなくてもデータを確認することができる。

用途に応じて以下の3タイプを用意した。
・タイプ1:燃焼排ガス測定用CO-CO2計
・タイプ2:燃料電池研究用CO-CH4計
・タイプ3:触媒研究用CO-CO2計(小流量測定タイプ)

ポータブルタイプの赤外線式ガス濃度測定装置は,ガス給湯器やガスコンロのような熱源機器の研究開発や品質管理や,天然ガスに含まれるメタンガス濃度のモニタリング,不純物として発生する一酸化炭素ガスの濃度測定にも使用されている。さらに,天然ガスから水素を作り出す燃料改質装置で使用する触媒の研究のために,微小なガス流量で,かつ高濃度な一酸化炭素や二酸化炭素の濃度を測定する装置も求められている。

新製品は,このような測定に適した3タイプをラインナップした。燃焼機器検査・研究用途などppmオーダーの低濃度測定から,燃料電池研究用途などvol%オーダーの高濃度測定まで,幅広い用途に適している。また,100 mL/minの微小なサンプルガス流量でも測定が可能となった。限られた試料ガス流量でも測定でき,触媒研究用途などにも対応できる。

データ管理の面でも,用途の多様化に合わせ,Wi-Fiによる無線データ通信やUSBメモリによるデータ読み出しを可能にした。これまでポータブルガス濃度測定装置の販売実績が少なかった米国やアジア地域にも展開し,3タイプ合計で年間100台以上の販売を目指す。