東工大ら,橋梁点検ロボの大型模型実験を開始

東京工業大学,建設技術研究所,ハイボットは,総合科学技術・イノベーション会議の「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(管理法人:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))による共同受託として進めていた橋梁点検ロボット開発の一環として,川崎市内に実験施設を確保した(ニュースリリース)。

実験施設内に製作した実物大橋梁模型を使い,橋梁桁下を橋梁横断方向に駆動するセンサー搭載型ロボットの実験を今秋より開始する。このロボットは,従来の点検ロボットに比べて作業性が飛躍的に向上する点に特長がある。

従来の橋梁点検は,L字型の長大なアームを有する橋梁点検車を用いるのが一般的だった。橋梁点検車を用いた作業では,橋梁上に大型車両を停止させる必要があり,大掛かりな交通規制が必要であったほか,橋梁幅員が長大な場合にはアーム長が不足して点検できない個所が発生するなどの問題点があった。

こうした課題を踏まえて3者は,新たな橋梁点検ロボットの開発に向けて共同研究を実施してきた。この技術開発は,NEDOの公募に選考されたもの。NEDOからの委託に基づき,平成26年度~平成30年度の5年間の事業期間で研究開発を行なっている。

共同研究に取り組んでいる3者では,開発した技術の有効性確認,効率的な現地作業手順の確立を目的とする実証実験を行なうこととし,川崎市内に実験施設を確保したうえで,橋長が20mある大型の橋梁模型2基(鋼・コンクリート各1基)を設置した。こうした実験施設を活用することで,プロトタイプ製作を実現することができる。

橋梁点検ロボットは現在開発中で,今秋より実験施設で動作実験を開始する。3者は今後4年間を目標に,開発したロボットの効率的な運用方法の確立を図る。