NEDO仲介のコンタクトメーカーに3億の出資

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が研究開発を助成したユニバーサルビューが,NEDOの仲立ちにより産業革新機構から投資を受けた(ニュースリリース)。

NEDOは,3~5年以内に実用化が見込まれる中堅・中小・ベンチャー企業の技術開発を助成している。採択時に研究開発成果の有効性を評価する「技術評価」と実用化・事業化に対する有効性を評価する「事業化評価」の観点からピアレビューを行なうとともに,事業終了後にも計画どおり進捗したかを評価する事後評価を実施している。

NEDOは,採択時と終了時のいずれにおいても高評価を得ている助成事業実施者について,当該事業者のニーズを踏まえ,産業革新機構をはじめとする金融機関への仲立ち等の支援(金融マッチング)も行なっており,NEDOが産業革新機構に紹介したユニバーサルビューについて,同機構が出資検討を行なった結果,同社の第三者割当増資を引き受け,今後の事業拡大と研究開発に必要な資金として3億円の出資を行なった。

ユニバーサルビューが開発・製造・販売に取り組む「度数を持たないピンホールコンタクトレンズ」は,従来の眼鏡やコンタクトレンズでは矯正不可能であった複数の組合せによる屈折異常にも対応できる,ピンホールの原理を用いた世界初のコンタクトレンズ。

近視のみならず,乱視,老眼などあらゆる屈折障害に対する改善効果が期待されており,特に高齢化が進行する中で,老眼鏡や遠近両用コンタクトレンズなどの従来製品に加えて,日本発の革新的な老視矯正の医療機器としての実用化が期待されているという。

なお,同社に対しては,安田企業投資も出資を決定している。同社は,2011年度~2013年度にNEDOの「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」等の助成事業で「度数を持たないピンホールコンタクトレンズの開発」に取り組み,事前・事後のピアレビューにおいて高い評価を得た。このためNEDOは,同社における継続研究に係る資金需要や同社からの産業革新機構への仲立ち依頼等を踏まえ,産業革新機構に紹介することにしたもの。

なお,NEDOと産業革新機構は,本年2月に,「新産業の創出に向けた相互協力協定」を締結し,技術開発成果の事業化促進や産業技術の振興に関して相互に連携・協力を行なっていくことにより,新産業の創出に取り組んできた。今回のユニバーサルビューに対する産業革新機構への仲立ちおよび投資決定は,この協定に基づくNEDOと産業革新機構の連携支援の第1号となるもの。

NEDOは,中堅・中小・ベンチャー企業によるイノベーションを支援するにあたり,実用化開発に対する助成等のほか,技術や事業に関する専門家派遣による課題解決支援,展示会・ビジネスマッチング開催等による事業化支援,産業革新機構をはじめとする金融機関との連携(金融マッチング)等により,優れた技術を持つ研究開発型中小企業の支援に積極的に取り組んでいくとしている。