2020年,スマートウオッチ国内市場は600億円に

富士キメラ総研は,最新のウェアラブル機器やヘルスケアビッグデータを企業や健康保険組合,医療機関,自治体,医療機器メーカー,製薬企業などが活用し,健康増進や病気の予防,早期発見や治療に役立てる取り組みの進展を背景に,急拡大が予想されるヘルスケア関連機器,ヘルスケア関連サービス/システムの市場を調査し,結果を報告書「ウェアラブル/ヘルスケアビッグデータビジネス総調査 2016」にまとめた(ニュースリリース)。

医療費負担の削減を目指す「データヘルス計画」などの取り組みの活発化,メタボリックやロコモティブシンドローム対策,また東京五輪開催に伴うスポーツ活動への意欲向上により,健康管理・増進を目的としたヘルスケア関連機器やサービス/システムの市場は大幅な拡大が予想される。

機器市場では「Apple Watch」(Apple)の発売により本格的にウェアラブル機器市場が立ち上がった。ヘルスケアバンドやスマートウオッチ,スマートグラス/HMDを中心に,着衣型や肌貼り付け型,アクセサリー型など,ストレスなく気軽に装着できる多様な機器の開発が進み,ヘルスケアアプリケーションの拡充や既存のヘルスケアサービスとの連携が図られるとみる。

特にスマートウォッチは時計メーカーの参入によるファッション性の向上や,医療用途への展開により大きな伸びが期待される。スマート家電も健康管理・増進や高齢者見守りなどを訴求して伸びるとみられる。一方,現状規模が大きいフィットネスマシンや血圧計,ヘルスメーターは,今後は横ばいや微増を予想する。

サービス/システム別にみると,現状は電子カルテシステムや高齢者見守りサービスなどの市場規模が大きいが,今後は健康管理支援や保健指導支援サービスなどの伸びを期待する。電子カルテシステムは高額なパッケージ型から低価格で利用できるクラウド型へ需要が移るとみる。高齢者見守りサービスは独居高齢者の増加,超高齢化の進行により引き続き拡大を予想する。

ユーザーの健康状態を測定し生活習慣改善のアドバイスを提供する健康管理支援サービスは,無料ユーザーの有料サービスへの移行や利用比率の向上により伸びを期待する。保健指導支援サービスもメタボリックやロコモティブシンドロームなどの増加を背景とした社会的な健康増進志向が追い風となり伸びるとみる。

注目市場として,スマートフォンと連携し,通話やメール,ミュージックプレーヤーなどのアプリケーション操作が可能な腕時計型のウェアラブル端末を対象とした。ライフログ/ヘルスケア関連アプリケーションを基本機能とし,活動量計測機能が標準搭載されているほか,各種センサーの搭載により睡眠状態や脈拍計測が可能な製品も登場している。

2014年まで需要は限定的だったが,2015年に「Apple Watch」が発売され市場は大きく伸びた。現状はスマートフォンのアクセサリーとしての位置付けが強く,実勢価格も6万円と高額。さらなる需要増加のためには対応アプリケーションの拡充が必要であり,ヘルスケア関連をはじめ充実させることでユーザーの裾野が広がるとみる。

また,時計メーカーからスマートウオッチが投入されていることも市場の拡大に寄与するとみる。アプリケーションの省電力化に伴う多様化や,腕時計として日常的に使用できるデザイン性の向上により,スマートフォンの周辺機器としての位置付けから抜け出すことで市場拡大が期待されるとする。

もう一つの注目市場は,消費カロリーを計測できるリストバンド型の活動量計を対象とした。デザイン性やファッション性が支持されると共に,健康志向やランニングブームも追い風となり市場が拡大している。睡眠状態や脈拍計測による運動強度算出が可能な製品も登場している。

海外メーカーの製品投入により市場は立ち上がり,2014年以降海外メーカー,日系メーカーから新製品投入が相次いでいる。2015年は上位メーカーが大規模なプロモーションを実施し,認知度の向上および需要の掘り起こしが図られた。しかし,いまのところ新しいもの好きの「アーリーアダプター」が中心であるため,本格的な普及はこれから。

スマートフォンを活用した健康管理プラットフォームやサービス/アプリケーションが充実していることから,今後はヘルスケアバンドをライフログデバイスとする利用の増加を期待する。

デザインウオッチからの乗り換えを前提とするスマートウオッチとは異なり,ヘルスケアバンドは通常のデザインウオッチに追加して装着できる利点もある。また,メーカー各社が提案している睡眠計測機能でストレスチェックへの応用も可能となり,身近なライフログデバイスとしてユーザー層の拡大が期待されるとしている。

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