東芝,半導体事業を刷新

東芝は,将来の3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASHTM」における製造棟の建設に備え,四日市工場(三重県四日市市)の隣接地取得をこのたび決定した(ニュースリリース)。

対象は四日市工場の東側と北側にある土地で,取得面積は約15万㎡,取得費用は約30億円を予定している。取得後,2016年度末を目途に造成を完了する予定。なお,新しい製造棟の建設時期,生産能力,生産設備への投資など具体的な計画については,市場動向を踏まえ,2016年度中に決定する予定。

フラッシュメモリは,スマートフォンなどで多く使われており,エンタープライズ用サーバやデータセンタ向けを中心に,今後も需要拡大が見込まれる。四日市工場では,3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASHTM」の製造にあたり,2次元NAND型フラッシュメモリと共通の既存の製造工程を効率的に活用するため,これらの工程に3次元化のための専用工程を組み合わせる計画。

同工場において,3次元専用工程の製造棟として,新第2製造棟(建屋全体の竣工は2016年度前半を予定)を建設しているが,さらに将来の需要拡大に対応するためには,新たに3次元専用工程の製造棟を建設する必要がある。

既存敷地内には,新規に建屋を建設するスペースが確保できないため,2次元NAND型フラッシュメモリから3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASHTM」への切り替えが必要になった際,建屋を速やかに建設できるよう,今回工場隣接地の取得を決定したとしている。

さらに同社は,2015年12月4日付で,システムLSI事業の構造改革について,同社の大分工場における同事業の一部を同社の100%子会社である岩手東芝エレクトロニクスに会社分割により承継させることを発表しており,2月2日,同吸収分割契約を締結した(ニュースリリース)。

これは,同社の大分工場における200mm及び150mmウェハー製造ラインを用いたシステムLSI事業と,岩手東芝エレクトロニクスにおける同事業を統合することにより,システムLSI事業において市場の成長が見込まれる,車載用を含むアナログIC,モータ制御ドライバなど,同社グループの技術的優位性が高い注力分野へ経営資源を集中するほか,200mm及び150mmウェハー製造ラインの効率的な一体運営を図るためのもの。この会社分割による当社の資本金の増減は無いとしている。