NEDO,CMOSイメージングのコンソーシアムを設立

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,「クリーンデバイス社会実装推進事業」で高感度・高速・低ノイズCMOSイメージャを用いた高速画像処理の実用化を目指している。これに関し,高速画像処理のさらなる普及と用途拡大,新産業創出を目指し,コンソーシアム形式による新たな推進体制「WINDSネットワーク(Network for World Initiative of Novel Devices and Systems)」を設立し,2月24日に設立記念総会を開催した(ニュースリリース)。

従来のCMOSイメージャならびに画像処理技術は,画像の解像度ならびに感度の向上に注力し,その進歩は人間をはるかに超えて,デジタルカメラやスマートフォンに対して,その性能の格段の進歩に寄与してきた。この分野において日本の技術は世界をリードし,世界シェアは日本が50%を超える予測がある。しかしながら,デジタルカメラやスマートフォン以外の分野では,CMOSイメージャの高感度・高速・低ノイズという特徴を十分生かし切れているとは言いがたく,応用展開が十分ではなかった。

そこで,クリーンデバイス社会実装推進事業で特に,高速のフレームレートの撮像・処理を実現する高速画像処理技術を技術基盤として,新たな応用分野を幅広く開拓し,新産業創出に向けた,新たな推進体制「WINDSネットワーク(Network for World Initiative of Novel Devices and Systems)」を設立した。

WINDSネットワークは,高速画像処理技術を様々な分野に広く展開し,情報交換の場を提供する推進体制。できるだけ多くの企業や団体が参加できるように,制約を極力廃した「ゆるやかな」組織として構成している。従来のコンソーシアムとは違って,画像処理に関連したデバイス事業者やサービス事業者のみならず,ユーザー企業の参加を広く求めており,ユーザー企業を加えたデバイス事業者とサービス事業者のネットワークを構築し,新産業創出を推進する新たな試みとなる。

またWINDSネットワークは,(1)WINDSフォーラムと(2)WINDSアライアンスを中心に活動を行なう。会員は企業全体でも,部や課の単位での加入も可能とし,新しい応用を創出するためのゆるやかな組織とすることを特徴にしている。これにより,最終的には会員数300組織を目指す。

(1)WINDSフォーラム
あらゆる事業分野の参加企業・団体等に対し,セミナー活動や意見・情報交換を通じて,高速画像処理技術に関する情報の提供する。当該技術の応用展開に関する討議を行ない,要望に応じて事業化にいたる研究・技術開拓のサポートを行なう。

(2)WINDSアライアンス
画像処理の応用事例として先行するユースケース(応用用途)の検討・実装・評価を行ない,技術応用の可能性について実証する。ここで得た情報や成果はWINDSフォーラムにフィードバックして,さらなるユースケースを検討・創出する。また,こうした活動過程において,共通仕様の策定には技術の標準化にも取り組む。