2030年レーザーレーダー市場,2015年比4.3倍の946万台

富士キメラ総研は,自動車産業における「環境」「安全」「快適」をキーワードとする有望技術を環境,自動運転/安全,コックピット,その他の4つの領域に分類し,それぞれの技術の課題,競合技術との差異点・共存・融合の方向性を明確にし,それらに応じて変化する機器やデバイスの市場を調査し,調査結果を報告書「2016 次世代カーテクノロジーの本命予測」にまとめた(ニュースリリース)。

それによると,ADAS搭載車の販売台数は,2015年に1,030万台となった。日本,EU,NAFTAなどでは交通事故低減を目的に,ADAS搭載を推奨している。EUではEuro-NCAP,NAFTAではUS-NCAやNHTSAでADASを評価基準としていることから,急速に増加していくとみる。

2020年には,日本,EU,NAFTAにおける販売台数の過半はADAS搭載となる。その後は自動運転レベル3へ移行するとみられ,中国などを中心に自動運転レベル3の増加を期待する。2030年には,ADAS搭載車の販売台数は5,800万台と,全販売台数における構成比は41.5%になると予測する。

自動運転は,先進国を中心にレベル3の生産が2020年から徐々に拡大するとみる。レベル4の量産は2020年代後半になる見通しであり,高級車や商用車を中心に搭載車が増加するとみる。

センシング技術市場では,障害物の検知・距離の検出を行うセンシングデバイスの搭載車を対象とした。主にADASに用いられるためADAS需要の拡大に連動して市場が拡大するとみる。

センシングカメラは,現状では前方衝突軽減・回避を目的に,FCW(前方衝突警報),ACC(車間距離制御),AEB(緊急ブレーキ)で採用が急速に増えている。日本・欧州自動車メーカーでは,センシングカメラ+ミリ波レーダーが主流になりつつあり,米国自動車メーカーでは,センシングカメラ+レーザーレーダーの採用が多くみられるとする。

ミリ波レーダーは特に欧州自動車メーカーのAEBでの採用が進むとみる。2030年には,センシングカメラ+ミリ波レーダーの組み合わせが主流になるとみることから,センシングカメラ,ミリ波レーダーの搭載車の販売台数が増加すると予想する。レーザーレーダーは,コスト低減要求の強いコンパクトカーや新興国向け車種の一部で採用されるとした。