NICTら,白黒画像をカラーに見せることに成功

国際電気通信基礎技術研究所,米ブラウン大学,情報通信研究機構(NICT)は共同で,最先端のニューロフィードバック技術を開発し,従来脳の高次領域でのみ生じると考えられてきた連合学習が,視覚処理の入り口にあたる第一次視覚野,第二次視覚野(V1/V2,総称して低次視覚野)において生じることを発見した(ニュースリリース)。

被験者は白黒の縦縞を見ながら,縦縞が消えた後7s後に出てくる丸のサイズ(フィードバック)を大きくするよう試行錯誤で3日間トレーニングを行なった。丸のサイズは現在の低次視覚野の脳活動の“赤らしさ”に応じて変化したが,被験者はそのことを一切知らされていなかった。

その結果,縦縞に対する脳活動と赤色に対する脳活動の間に対応付け(連合)が生じ,白黒の縦縞が長期間にわたって赤く見えるようになった。さらに解析した結果,低次視覚野以外の脳活動はあまり変化していないことが分かったため,世界で初めて方位と色の連合が低次視覚野において生じたことが実証された。

被験者に画像を見せることによって生じる脳活動と,実際の画像入力なしにニューロフィードバックによって引き起こされる脳活動を対応付ける(連合する)この技術は,より一般的に言えば物理的に引き起こされた脳活動とニューロフィードバックにより誘起された脳活動を連合する革新技術だとしている。

この技術の応用範囲は広範にわたり,現在,強迫性障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患の治療に応用が試みられているという。また将来は,脳梗塞等による大脳損傷によって生じる色覚異常(大脳性色覚異常)の治療法につながることも期待されるとしている。

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