東工大ら,ナノシートに”整列”するペプチドを開発

東京工業大学は,米ワシントン大学と共同で,グラフェンに代表される2次元ナノシートの表面で自発的に規則正しくナノ構造を形成するペプチドを開発した(ニュースリリース)。

研究の進捗が著しいグラフェンなどの2次元ナノ材料は,将来のバイオセンサーの要素として大きな期待が寄せられており,生体分子とグラフェンの電子的な相互作用を理解することは,基礎科学的にも重要な問題であった。

研究グループは,遺伝子工学的手法を用いて,グラファイトに強く吸着する60種類のペプチドを実験的に発見した。これらのペプチドは,わずか12個のアミノ酸から構成されている。

開発した自己組織化ペプチドは,グラフェン・トランジスタの表面に整列することにより,単層グラフェンの電気伝導特性を特異的に変調する。また,ペプチドのアミノ酸配列を一部変更することによって,半導体ナノシートとして近年注目を集める単層二硫化モリブデンの電子および光物性を自在に制御することにも成功した。

これらは小さいタンパク質であるペプチドが,新しいエレクトロニクス材料として期待されている2次元ナノシートの電子・光特性を制御できることを実証したものであり,生体材料とナノ材料の界面を電子的に制御する新たな手法を確立したとする。

さらに,生体分子と固体エレクトロニクス材料の相互作用の機構を理解する上で有用なプラットフォームとなることも期待される。将来は,ナノシートを使用した新たな機構を有するバイオセンサーの開発などにつながる成果だとしている。

その他関連ニュース

  • 京大,グラフェンで赤外光を可視光に変換
    京大,グラフェンで赤外光を可視光に変換 2017年05月23日
  • NAISTら,光でアミロイド線維を作製
    NAISTら,光でアミロイド線維を作製 2017年05月17日
  • 岡山大ら,光で働く硫酸イオン輸送体を発見
    岡山大ら,光で働く硫酸イオン輸送体を発見 2017年04月28日
  • 筑波大,生体分子とナノ粒子による人工光合成に成功
    筑波大,生体分子とナノ粒子による人工光合成に成功 2017年03月31日
  • 東工大,カゴ型タンパク質による金収集を観察
    東工大,カゴ型タンパク質による金収集を観察 2017年03月22日
  • 生理研ら,シナプスの光でのコントロールに成功
    生理研ら,シナプスの光でのコントロールに成功 2017年03月22日
  • 岡山大ら,光で働く新イオンポンプを発見
    岡山大ら,光で働く新イオンポンプを発見 2017年03月17日
  • 理研ら,「質量のないディラック電子」系を発見
    理研ら,「質量のないディラック電子」系を発見 2017年03月17日