日立化成,量子ドットフィルムを発売


日立化成は,液晶ディスプレーの広色域化を実現する光学フィルムとして,量子ドットフィルムの量産・販売を開始する(ニュースリリース)。

2012年に国際電機通信連合(ITU)によって制定された色域規格,BT.2020に対応するため,ディスプレーメーカー各社は,より広色域のディスプレーの開発を進めている。

しかし,従来の液晶ディスプレーで広色域化を実現するためにカラーフィルターをより色鮮やかなものにすると,液晶ディスプレーの表面輝度が低下する。そのためバックライトをより明るくすると,今度は液晶ディスプレーの消費電力が増えてしまう問題があった。

そこで同社は,消費電力を増やすことなく,液晶ディスプレーの広色域化を実現する,量子ドットフィルムを開発すると共にその量産体制を確立し、販売を開始する。

同社は2015年12月より,量子ドット最大手のNanosys, Inc.(ナノシス社)から,量子ドットを使ったフィルム化技術等の導入を行なった。ナノシス社の量子ドット技術と,同社独自の樹脂組成技術の融合により,技術開発から約1年という短期間での量子ドットフィルムの量産・販売開始となった。

量子ドットフィルムを用いることで,従来の液晶ディスプレーでは達成することが困難であった,BT.2020色域規格の90%以上を達成するという広色域化が可能となり,より色鮮やかな画像を表示できるという。

また,量子ドットフィルムは液晶ディスプレーの製造工程において,他の光学フィルムや基板等を積層するのと同時に組み込むことが可能なため,液晶ディスプレーメーカーで新たな設備を導入する必要がない。

同社は今後,テレビ市場のメインマーケットである中国,韓国等アジアを中心に量子ドットフィルムのシェア拡大を進める。また,この製品を4K,8Kテレビ以外のディスプレー,例えばスマートフォンやタブレット等のディスプレー市場にも積極的に拡販し,グローバルシェアの拡大をめざす。

同社は今後も,外部リソースの活用を通じ,協創を積極的に進めるオープンイノベーションを推進し,事業化の加速を図るとしている。

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