技科大,高精度簡易日射計の開発に成功

豊橋技術科学の研究グループは,安価な簡易日射計の開発に取組み,農業現場での導入を進めてきたが,今回,現場ニーズを反映し,温度変化による誤差の少ない日射計の開発に成功した(ニュースリリース)。

近年,農業従事者の減少・高齢化に伴って人の手に頼っていたハウス内環境(気温や日射など)の制御を IoT(Internet of Things)活用により自動化・機械化する動きが活発化しており,中でも生育に大きく影響する日射量を安価に計測することが求められている。

これに対応し,研究グループは平成20年に太陽電池の出力電流の特性を利用して日射量を簡易に計測する方法を新たに考案し,簡易な日射量センサーとして開発した。この研究成果は,名古屋市の三弘へ技術移転し,平成26年より農業現場へ販売してきた。

また,大手の農業資材販売業者(トヨタネ)は,この簡易日射計を標準的に使ったハウス内環境制御システムとしてまとめ,農家が導入しやすい形態で提供を始めている。

開発したセンサーの利用者が増えるに伴って,温度変化による誤差の少ないセンサーの要求があり,研究グループは,温度変化に伴って電気抵抗が変化するサーミスタ素子を組合せて日射計としての太陽電池出力の温度特性の相殺を図り,従来簡易日射計の温度変化に対する出力誤差が±7%以下だったのを,±1%以下に改良した。

この成果も大学から新たに特許出願し,三弘に技術移転し,販売を開始した。今回の成果を高く評価した大手計測器メーカーも全国展開を考えているという。

研究グループは,農業分野のIoT活用拡大に寄与するため,太陽電池を使った光計測技術の研究開発を推進しており,ハウスの鉄骨の影の影響の除去対策や光量子束密度の全波長領域や,100nm刻みの計測計(簡易分光光量子束密度計)などの開発を進めている。

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