島津製作所,稼働中エンジンのシリンダー内計測技術を開発

島津製作所は,光ファイバーや光学素子で構成される新開発の小型プローブ(探針)を直接エンジン内部に挿入し,稼働しているエンジンのシリンダー内の温度と二酸化炭素(CO2)濃度をレーザー光学技術によって高速かつ同時に計測する新技術を開発した(ニュースリリース)。

自動車などのエンジンは,燃焼の効率や状態が最終的なエンジンの出力性能や燃費性能,排ガス性能に大きく影響することから,エンジンメーカーには,シリンダー内で燃焼が発生するまでの温度や,排ガスとしてシリンダー内に残留するCO2の濃度をモニタリングしたいというニーズがある。

しかし,量産型のエンジンにも適用できる実用的な構成でシリンダー内の温度とCO2濃度をリアルタイムかつ同時に計測することは困難であり,シミュレーションモデルの妥当性を検証するためにも,直接的な計測を行ないたいという要望があった。

同社は,外部EGRシステム(燃焼後の排気ガスの一部を吸気側に導き再度吸気させるシステム)を搭載した自動車エンジンの吸気部分のCO2濃度を測定できる製品「EGR-chaser」を2015年5月に発売した。この装置に利用しているレーザー光学技術を応用し,エンジンメーカーのニーズに応えるために新技術の開発を進めた。

開発した新技術は,実際に稼働しているエンジンのシリンダー内の温度とCO2濃度を高速かつ同時に直接計測する技術。小型プローブの先端に備える直径5mmの検出部分をシリンダーへ10mm挿入し,検出部分に複数のレーザ光を通過させることで,シリンダに流れる気体中の水分とCO2の吸光度から温度とCO2濃度を算出できる。

容易に挿入できる単一の小型プローブで温度とCO2濃度それぞれを最短50万分の1秒周期で計測可能なため,燃焼に重要な影響を及ぼす圧縮行程での経時的変化もありのままに捉えることができるという。

この技術の実用化により,自動車用エンジンや産業用エンジンの開発現場で広く普及しているモデルベース開発(シミュレーションに基づく設計手法)において,エンジンモデルの精度が高まり,制御の最適化や改良設計の効率化のほか,さらなる燃費性能や排ガス性能の向上へ貢献することが期待できるとしている。

同社は,2018年度内にこの技術を製品化し,自動車用エンジンメーカーや産業用エンジンメーカーへ展開することを計画している。

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