ジャパンプローブ,リアルタイム光超音波3Dセンサーを開発

内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」の一環として,ジャパンプローブは,1024個の超音波受信用の圧電振動子を球面形状に配置した超音波センサーを開発し,光超音波イメージング法によるリアルタイム3Dイメージングを実現した(ニュースリリース)。

これはレーザー照射により発生する超音波を検出する光超音波法を高度化し,非侵襲で生体の血管網と血液状態(酸素飽和度)をリアルタイムに3Dイメージングする技術を開発し,早期診断や美容・健康に関わる身体機能モニタリングの実現を目指すもの。さらに,工業材料中の劣化や亀裂などを可視化し,非破壊計測への展開を進めている。

このシステムに供する超音波センサーとしては,リアルタイム計測するために,発生する超音波信号を一括で検出する圧電振動子の多チャンネル化(目標:1024チャンネル)が必要であり,また三次元可視化のための球面状を実現する超音波センサ製造技術を開発する必要がある。

さらに,このシステムで検出すべき超音波は,観察対象サイズに反比例して高周波化するため,超音波センサーには,従来の倍以上の超音波周波数を検出する広帯域化が必要となる。

ジャパンプローブでは,曲げたり撓み(たわみ)を持たせることが可能な「可撓性」を有する,独自の超音波フレキシブルアレイプローブを開発してきた。

研究では,超音波フレキシブルアレイプローブで培った製造技術にモールド法を導入することで,半球フィルム上に,保護層,コンポジット振動子,ダンパー材の3層構造からなる圧電振動子を形成するとともに,半球形状のフィルム状の圧電振動子に複数の電極を配列し多チャンネル化する電極形成技術の開発に成功,これにより球面状に多数の素子を形成することが可能になった。

この技術と微細はんだ付け技術を用いてリード線を実装することにより,球面状の多チャンネル超音波センサー(直径110mmの半球に1024チャンネルの圧電振動子を配置)のモジュールを完成することができた。

さらに,コンポジット振動子に用いる圧電材料,整合層,ダンパー材を最適化することで,周波数帯域が広く,光音響として用いるレベルの感度を有する圧電振動子の開発に成功した。今後,これら要素技術を組み合わせ,多チャンネル超音波センサーの性能を向上させていくとしている。

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