東洋紡ら,最高の寸法安定性を持つポリマーフィルムを開発

東洋紡は,ガラスやシリコンウエハーと同等で,ポリマーフィルムとして世界最高レベルの寸法安定性を持つ,高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス®」を事業化する(ニュースリリース)。

近年,ディスプレーやセンサーの軽量・薄型化やフレキシブル化が進むにつれて,薄くて曲げやすいポリマーフィルム上に電子回路を形成したいとするニーズが急速に高まっている。このため,ガラス基板上にTFTを形成する際と同じ加工温度下でも,変形や伸び縮みしない耐熱ポリマーフィルムが求められていた。

「ゼノマックス®」は,室温から500℃まで熱膨張係数が約3ppm/℃と一定で,ポリマーフィルムとして世界最高レベルの寸法安定性を持つポリイミドフィルム。米研究機関Michigan Molecular Instituteから独占実施権を得た技術と,同社の持つ高耐熱ポリマーの合成技術やフィルム製膜技術を融合し,従来のポリイミドフィルムでは不可能だった,ガラス基板と同等の高い寸法安定性を実現し,製品化にも成功した。

これにより,400~500℃の高温下で加工が必要なTFTの基板材として使用することが可能になったが,これまでは,研究所内のパイロット生産設備で製造し,電子ペーパーディスプレー向けのTFTの基板材として使用されてきた。

2018年度前半に長瀬産業との合弁によりこの製品の生産・販売会社を設立し,生産工場を敦賀事業所内に建設する。電子ペーパーディスプレー向けTFT基板材の需要増に対応するとともに,「薄い」「軽い」「割れない」「曲がる」などのフィルムの特性を生かし,フレキシブルな有機ELディスプレーや各種センサー用途に加え,ガラスやシリコンウエハー,セラミックなどに代わる基板材料として展開を図る。

同社では長瀬産業との協業のもと,高性能・高耐熱フィルムの市場ニーズに応え,早期に100億円規模の事業の構築を目指すとしている。

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