超小型FTIRモジュール「Neo Spectra」

「Neo Spectra」

あらゆる産業において「安心・安全」がキーワードとなる現在,フーリエ変換型近赤外分光法(FTIR)が注目を集めている。FTIRは物質によって吸収する赤外光の波長と程度が異なることを利用し,官能基の定性分析や化学構造の情報を得ることができる。非接触・非破壊でサンプルや試薬を使わずに測定できることから,新たな分野での利用と普及が期待されている。

東京インスツルメンツは,エジプトSi-Ware Systems社の超小型FTIR分光器「Neo Spectra」を取り扱っている。Si-Ware Systems社が「Analyze Anywhere」を標榜するように,この製品はMEMSを利用して干渉計と検出器を一体化した非常に小型(70×50×25mm)なFTIRで,2014年にはSPIEが主催するPrism Awardの計測部門賞を受賞している。

シンプルなパッケージ構成

パッケージ内部は,MEMS技術を用いたマイケルソン干渉計,近赤外InGaAsフォトダイオード,専用のASICからなるシンプルな構成となっている。光源を内蔵する従来の大型のFTIRと異なり,測定光をファイバーによって外部から導くため,任意の光源を外付けで使用できることも特長の一つとなっている。

マイケルソン干渉計は,ビームスプリッタによって分割したビームの片方を固定鏡,もう片方を移動鏡で反射して起こした光の干渉を計測するが,この機構は機械的に構成されるために小型化に限界があるほか,安定した計測には使用前のアライメントを要するなど,多くの制約があった。

従来のマイケルソン干渉計

一方,「NeoSpectra」は,すべての光学部品と機械部品を1つのMEMSチップ上にモノリシック集積することで,FTIRのチップスケール化に成功している。これはSi-Ware Systems社独自の半導体技術 Silicon integrated Micro Optical Systems Technology(SiMOST)プラットフォームによるもので,超小型かつ安価で堅牢,アライメントフリーなFTIRを実現している。

測定方法は赤外光源からの光を試料に照射し,試料からの透過光,あるいは反射光を本体内にファイバー経由で導入して光干渉信号を得る。試料への照射光が干渉前か干渉後かの違いはあるものの,一般的なFTIRと同様のスペクトルを得ることができる。計測したスペクトルデータはUSBケーブルを介して外部のコンピュータに転送される。

MEMS干渉計

目的により3種類の波長バリエーション(1250~1700nm,1300~2100nm,1350~2500nm)をラインナップ。環境,ヘルスケア,農業,食品および飲料,工業,医薬品,石油化学など,幅広いアプリケーション分野で材料組成分析と識別が可能なので,こうした分野の測定機器や製造・検査ラインへの,OEMによる機器組込みに最適な製品となっている。

なお,メーカー側ではセンサーチップ部分や開発用キットなども取りそろえており,パッケージ化された製品だけでなく,開発用のキットや部品供給もできる。

東京インスツルメンツ製品紹介ページ

製品仕様

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