オリンパス,520倍拡大内視鏡など4機種をリリース

オリンパスは内視鏡の新製品(超拡大消化器内視鏡×2機種,高精細大腸内視鏡,ハイビジョン経鼻内視鏡)計4機種を発表した(ニュースリリース 123

超拡大内視鏡「Endocyto」は,加工難易度の高いレンズを複数枚とEDレンズを採用し,最大520倍の光学拡大機能が付くことでリアルタイムに細胞レベルまで観察ができるので,直接観察による,がんなど病変の検査や治療に用いる。上部消化管(食道・胃・十二指腸)用と大腸用の2機種をリリースする。

同社従来品では約80倍の拡大観察が可能だったが,この製品の最大520倍の光学拡大機能を用いれば,細胞の核まで観察することが可能。手元操作部のズームレバーを動かすことで顕微鏡レベルの高倍率・高精細な画像を得ることができる。

内視鏡検査時にリアルタイムに細胞レベルでの生体内観察ができるため,診断精度の向上により不要な生検の省略可能性など新たな価値が期待できる。現在,この内視鏡を用いた自動診断技術の共同研究を,昭和大学横浜市北部病院,名古屋大学,サイバネットシステムと共にも進めているという。発売は2018年2月を予定。

病変へのアプローチ性と深部での操作性を向上した大腸内視鏡「PCF-H290T」は,大腸がんの検査や大腸 ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの治療件数が増えていくことを予想し,大腸内処置の操作性を高めた製品。小回りの利くスコープ操作を実現し,病変へのアプローチ性の向上をサポートする。

また,手元から先端への力の伝わりやすさを追求した「高伝達挿入部」や,好みに合わせて挿入部の硬さを変更できる「硬度可変」機能により,大腸深部へのスムーズな挿入や深部での操作性向上をサポートする。発売は2018年3月を予定する。

新たなイメージセンサーを採用することで,経鼻内視鏡として初めてハイビジョン画質に対応した上部消化管汎用ビデオスコープ「GIF-H190N」は,挿入部の硬さを見直し,経鼻挿入時の苦痛軽減に貢献した。

新たな照明光学系の採用により,通常光観察/NBI 観察ともに,従来の同社製経鼻内視鏡から中遠景画像の明るさを向上した。観察部から離れていても病変部を確認しやすいなど,視認性能を向上している。発売は2018年1を予定。

さらに,同社のグループ会社 Olympus Korea Co., Ltd.は,韓国の松島新都市(仁川)に内視鏡のトレーニングセンター「Olympus Korea Medical Training & Education Center(K-TEC)」を10月12日に正式オープンする(ニュースリリース)。

この施設は,専門的な製品の教育やデモンストレーションを受ける機会を韓国の医療従事者に提供することを目的とした施設。施設の建設にあたり,Olympus Koreaは2015年5月に仁川経済自由区域(IFEZ)と投資合意を締結し,2016年2月に着工した。

松島新都市ハイテク産業クラスター内の広さ5,056.5㎡(1,530坪)の敷地に建設され,地上4階,地下1階の建物。工期は21カ月,延べ床面積は6,630㎡(2,006坪)。投資金額は370億韓国ウォン(約36億日本円)としている。

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