東北大ら,グラフェンとSiCの界面にフォノンを発見

東北大学,東京大学,物質材料研究機構らの研究グループは,シリコンカーバイド(SiC)上のエピタキシャルグラフェンにおいて,走査トンネル顕微鏡(STM)による電流測定に現れるフォノンのシグナルの空間依存性を高精度に測定し,SiC基板とグラフェンの界面に潜む低エネルギーフォノンの存在を明らかにした(ニュースリリース)。

SiCの熱分解によるエピタキシャルグラフェン形成は高品質なグラフェンを絶縁体基板上に作成する方法として着目されているが,グラフェン中での電子移動度が理論値よりも大幅に低下するという問題があった。

電子移動度が下がる重要な原因の一つに,基板とグラフェンの界面に存在するフォノンがある。しかし,界面のフォノンを観測することは非常に難しく,その詳細は明らかになっていなかった。

今回の研究では,トンネル電子がフォノンと衝突することによってエネルギーを失う非弾性過程の空間依存性を測定するSTM実験と,界面構造と電子・フォノン状態の相関を第一原理計算によって明らかにすることによって,ダングリングボンドを持ったシリコン(Si)原子によって特徴的な界面フォノンが生じていることを解明した。

この研究成果により,電界効果トランジスタなどグラフェンデバイスの性能向上につながることが期待される。また同様の測定方法・理論解析を他の層状物質系に応用し,層状物質での輸送特性における界面の効果を明らかにすることが可能であるとしている。

その他関連ニュース

  • 首都大ら,原子厚の半導体材料を自在に接合 2019年06月24日
  • 慶大ら,超短パルス光で固体中の量子経路干渉を観測 2019年05月22日
  • 筑波大ら,コヒーレントフォノン生成の一端を解明 2019年05月21日
  • 名大ら,ハチの巣状単原子層物質プランベンを創製 2019年05月14日
  • 広大ら,電子分光で高温超電導物質の電子状態を観測 2019年05月07日
  • 九工大ら,光学顕微鏡で水中のナノシートを評価 2019年05月07日
  • JAISTら,シリセンと六方晶窒化ホウ素の積層構造を実現 2019年04月09日
  • 慶大,MIを活用しナノシート材料を高効率合成 2019年01月15日