ブラザー工業,レーザーマーカー市場に参入

レーザーマーカー外観
レーザーマーカー外観

ブラザー工業は,レーザーマーカーを製品化し,市場に参入した。

開発したレーザーマーカーはレーザープリンターや家庭用・工業用ミシン,電子文具,工作機械で培ってきた技術を応用させたもので,LD励起Nd:YAGレーザーを採用している。

今回,短パルス・高ピークパワーを実現可能にする独自のレーザー制御技術を開発。これにより,高精細で凹凸の少ない印字を可能にした。また,コンシューマー向けに使いやすさを追求し,直観的に使用可能にするユーザーインターフェース(UI)も導入した。オプション対応だが,エンクロージャーと呼ぶレーザー遮光ボックスを活用することで,安全性も確保する。

表1 レーザーマーカーの仕様
表1 レーザーマーカーの仕様

印字は同社オリジナルとTrueTypeの文字に,バーコードはCODE39/128,ITF,NW-7,JAN/UPCに,2次元コードはQRコード,マイクロQRコード,データマトリックスに,画像はBMP/JPEG/PNG/DXF(R14)にそれぞれ対応する。印字対象は普通鋼や電磁鋼板に加え,黄銅,真鍮,ステンレス,アルミ,樹脂,熱収縮チューブなどが挙げられており,素材への熱ダメージを抑える印字ができるのを特長とする。

同社は昨年,インクジェットプリンターメーカーのイギリス・Domino Printing Sciences(ドミノ社)を買収し,完全子会社とした。ドミノ社はCO2レーザーマーカーを製品化しているが,固体レーザーマーカーも製品化することで,ラインナップの充実を図り,印字ニーズに対応する。

同社によると,まずはノベルティやギフト向けなどの市場を開拓し,その後は自動車分野や電子部品などといった量産市場にも投入していく考えを示した。当初は国内と米国を中心に販売を推進していくとしており,2016年度は500台の販売台数を目指すとしている。

気になるところでは,ファイバーレーザーによるマーカーの開発も視野に入っているかどうかだが,今後の開発の行方に注目が集まっている。◇

(月刊OPTRONICS 2016年8月号掲載)