ニコン,マルチユース金属3Dプリンターを開発

ニコンはレーザーを用いて金属粉末を溶融・積層する金属3Dプリンターを中心としたマルチユース金属加工装置を開発,SEMICON Japan 2017(12月13日~15日 東京ビッグサイト)に参考出品した。

レーザーを用いた3Dプリンターには,材料粉末を敷き詰めたパウダーベッドにレーザーを照射して任意の形状に溶融し,その上にさらに材料粉末を重ねて溶融することを繰り返して積層するSLM(Selective Laser Melting)と,材料粉末とレーザーを同時に任意の部分に噴射・照射して溶融させて積層するLMD(Laser Metal Deposition)があるが,この装置は後者のLMDとなる。

製品化の際は造形・肉盛りといった3Dプリンター機能の他,マーキング,研磨,切断・穴あけ,接合機能も搭載するマルチユース機となる予定。このうち研磨機能を用いることで,条件次第ながら,造形物の表面粗さを数十μmから10μm以下に仕上げることが可能だとする。なお,上記の機能は全てレーザーを用いており,研磨はリメルト(再溶融)によって行なう。

材料はSUS粉末に対応しており,アスペクト比が高い造形が可能。撮影は許可されなかったが,高さ150mm程度の造形物のほか,3Dプリンターならではの複雑な中空構造や,補修やカスタムをイメージして金属製工具上に部品を造形したものなどを展示した。なお,ワークサイズは150mm×150mmとなっている(製品化時は200mm×200mmを予定)。

現在発売されている金属3Dプリンターは1億円以上するため,同社ではこの装置が大手企業だけでなく,中小企業や研究室,Fab Labなどでも気軽に導入できるような思い切った低価格帯を目指すとしている。そのためにも光源にはファイバーレーザーよりコスト的に有利なLDを採用する公算が大きいという(開発中につき波長や出力は非公表)。

同社は半導体露光装置のノウハウがあり,レーザーとステージをコントロールする技術を応用して開発を進めてきた。販売時期などは未定だが,展示会などに出品してニーズを探りながら,正式な仕様などを決定するとしている。なお,材料粉末もSUS以外のニーズを見て対応を検討する。

今後は形状精度などを詰めると共に,条件出しを自動的に行なえるソフトの開発に注力する。同社としてはこの装置を単にアマチュアでも簡単に使えるようなものにするのではなく,職人的な勘と経験を持つプロフェッショナルも満足させるような製品に仕上げたい考えだ。

なお,この装置は2018年2月に行なわれる「3D Printing 2018」(2月14日~16日 東京ビッグサイト)にも出展する。同展では試作品や積層中のビデオ映像の展示のほか,実機によるデモも行なう予定。

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