東大ら,スピンを利用したフレキブルなひずみセンサーを開発

東京大学と村田製作所は,ひずみの“大きさ”ではなく,“方向”を検出する柔らかいセンサーを開発し,その動作実証に成功した(ニュースリリース)。

ひずみセンサーは,物体の荷重や変位量,振動などを測定するために広く用いられている。従来のセンサでーは,変形により金属などの抵抗値が変化することを利用し,予め決まった方向のひずみの“大きさ”を検出していた。

研究グループは,ひずんだ方向に応じて磁石の磁化方向が変化する現象を利用し,ひずみの“方向”を検出することに初めて成功した。このセンサーはノーベル物理学賞にも選ばれた技術である巨大磁気抵抗効果という現象を用いており,柔らかいフレキシブルフィルム上に形成されている。

フィルム上にセンサーを集積化することも容易で,場所により異なる局所的なひずみ方向を可視化するような場面での用途も広がるとしている。

今回,磁化というベクトルを使った新しい仕組みのひずみセンサーを実現したという意義だけでなく,電子の磁気的性質であるスピンを活用する「スピントロニクス」と,柔らかい電子部品を創り出す「フレキシブルエレクトロニクス」の長所を融合した学際研究の足掛かりとしても,今後の展開が期待される。

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