東大ら,物質の内部に隠れたトポロジーの直接観測に成功

東京大学,理化学研究所,大阪大学,高輝度光科学研究センター,物質・材料研究機構,日本原子力研究開発機構らは,セリウムモノプニクタイドと呼ばれる物質群において,物質内部に隠れたトポロジーの決定に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

2016年ノーベル物理学賞の対象となった物質に潜在するトポロジーによって区別されたトポロジカル電子相の研究は世界中で行なわれている。トポロジカル電子相では,物質の内部 (中身) に隠れたトポロジーを反映して,物質表面 (見かけ) にトポロジカル電子相特有な電子状態が発生する。そのため,物質が持つトポロジーは見かけだけで判断されてきた。

研究グループは,大型放射光施設SPring-8から得られる高輝度の軟X線領域の光と角度分解光電子分光を組み合わせた軟X線固体分光ビームラインBL25SUを用いて,セリウムモノプニクタイドと呼ばれる物質群の電子構造を詳細に調べることにより,物質が通常の物質相(非トポロジカル電子相)からトポロジカル電子相へ転移するトポロジカル相転移の直接観測に成功した。その結果,物質中に埋もれた本質的なトポロジーの直接的な決定に世界で初めて成功した。

見かけに頼らず物質内部に隠れた本質的なトポロジーを直接的に決定することが可能となるため,今後この手法を用いることで,さらに多彩なトポロジカル電子相発見に繋がることが期待されるという。

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