人を捉える車載LiDARセンサーの校正に有効,様々な基材にコーティング可能な反射材


パーマフレクトをコーティングしたマネキン(車載LiDARの照射ターゲット)

システムズエンジニアリングでは,フィールドでのカメラやLiDARなどのセンサーの校正に適した反射材である米labsphere社製「大型反射板 パーマフレクト」を,マネキンなどの立体造形物にコーティングして提供するサービスを強化する。

自動運転をはじめとする次世代テクノロジーの登場が期待されているが,その実現はLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)やToF(Time of Flight)センサーといった,新たなセンシングデバイスがカギを握る。これらのセンサーは物体からの反射光を利用して周囲の物体までの距離や形状をセンシングするが,自動車や構造物などと違い,人間は形状が複雑な上に服装の色によって光の反射率が異なるなど,正確な検出が難しい。

パーマフレクト標準品

センサーが人間を確実に検出するためには,肌からの反射光を捉えるのが理想的だが,そのために必要なセンサーの校正方法は国際標準化が進んでおらず,各社が手探りで行なっているのが現状だ。例えば複雑な曲面から構成される人間の反射特性を再現をするためには,平面の反射材の角度を微調整しながら,何度も反射率を確認する方法で校正が行なわれている。

しかし,今回システムズエンジニアリングが用意したパーマフレクトをコーティングしたマネキンを用いれば,こうした手間をかけることなく,実際には存在しない,均一な反射率を持つ人間を用いたのと同等の校正を行なうことができる。

80 BDRF at 20° Incident Beam

もともとパーマフレクトは,labsphere社が研究開発用の標準反射材として広く用いられている「スペクトラロン」を,野外や水中といった過酷なフィールドで使用できるように改良した製品で,①高い波長安定性 ②高い反射率安定性 ③安定した光の拡散性 ④安定した光の面内分布,が特長となっている。これをコーティングすることで,指定した反射率を均一に持つターゲットを得ることができる。

標準品として,反射率 5,10,18,50,80,94(%)の6種類を用意する。今回のマネキンは日本人の標準的な反射率である50%を用いているが,任意の値にカスタマイズもできる。LiDARやToFセンサーは光源に900nm前後から1550nm領域の近赤外線を用いることが多く,可視光以外のこうした波長域でもフラットな反射特性を持つパーマフレクトは,赤外線を利用する機器の校正に使いやすい。

反射ターゲットなどの拡散反射材料を用いてカメラ・デジタル画像の感度調整ができる

今後はAIの進化に伴い,自動運転のみならず,工場内FAにおける安心安全や,防犯,セキュリティ,リモートセンシングなど,あらゆるシーンでLiDARやToFセンサーの利用が増えることが予測される。パーマフレクトは,自転車のような複雑な状の物でもコーティングを施すことができるので,それぞれのアプリケーションに適したターゲットを簡単に作製することができる。

さらに,自動車業界でも自動運転だけではなく,エクステリア,インテリアの照明,表示計,内装の反射特性の測定や,最近採用が増えている赤外線を用いた乗員用センサーの校正など,まだまだ新しい用途がパーマフレクトに期待されている。

全身にコーティングしたマネキンの測定例

システムズエンジニアリングでは,パーマフレクトのテスト用として,標準品の各反射率のサンプル(5cm×5cm)の貸し出しを行なっている。また,上記のマネキン(胸像)に反射率50%のパーマフレクトと塗布したものを35万円で販売する。特注品も受け付けており,持ち込みの素材に塗布を施す場合や,標準品の反射率をカスタムする場合,納期は2カ月程度だという。

Permaflect標準品仕様
※反射率,サイズ,塗布など特注にも対応